世界は神の夢だ

宇宙に虚無と混沌だけがあった頃
神は無限に深く眠って夢を見た。
神の夢では宇宙は僅か一点に
始まりそこで大爆発が巻き起こり
場が広がって時が流れて星々が
生まれてそこで暮らす命が現れた。
人ももちろん命を宿す生き物だ。
神は思った、人は私に似ていると。
なぜなら人は神と同じく夢を見る。
夢こそ神の創造力の源泉だ。
人にも神に似た創造を行える、
その創造の規模の違いはあるにせよ。
世界は全て神の見ている夢なのだ。
夜空の星が地に落ちるのも神の夢、
桜の花が風に舞うのも神の夢、
思いがけない人の出会いも神の夢、
波が浜辺に打ち寄せるのも神の夢、
空を切り裂く稲妻もまた神の夢、
世の現象は皆ことごとく神の夢、
すなわち神が目覚めたならば世は消える。
夢の終わりが世界の終わり、神はただ
眠って夢を見ているだけの存在だ。
ただその夢は永く大きく美しく
生きとし生けるあらゆる物を包み込む。
宇宙に虚無と混沌だけがあった頃
神は無限に深く眠って夢を見た。

|次: 神は人に理性を与えた

|前: 人はなぜ生きてゆくのか

|English: The Universe Is God's Dream