神は人に理性を与えた

人間はなぜ偉いのか。
植物の実を摘み取って
魚を捕らえとりを食い
獣を殺し卵まで
腹に収める人間は
何の権利でそうするか。
山を削って海を埋め
地球を核で破壊する
力を持った人間は
どうしてそれができるのか。
自然を思うままにする
人も自然の一部分、
けれども神は人間に
他の動物に見られない
特権中の特権を
与えたように思われる。
他の生物にないもので
人間だけにあるものが
神の与えた特権だ。
人を除いた動物と
植物をよく調べると
彼らは生を得た時に
その生涯のほとんどが
もう定まっていたようだ。
つまり彼らは本能に
縛られていてそこからは
抜け出すことが難しい。
それに比べて人間は
理性でもって本能を
断ち切ることができるため
他の生物を凌駕する
知恵と力を持てるのだ。
理性によって人間は
人間らしく生きられる。
理性がないと人間は
獣と同じ存在だ。
理性によって人間は
本能にかち自由を得
自然のままに流されず
己の意志を貫ける。
他の生物は本能の
支配のもとに服するが
人間だけは本能の
くびきを断って生きられる。
理性が神の特権だ。
他の生物に見られない
特権中の特権だ。
人間が他の動物や
植物の実を食うことは
命の維持のためならば
許されていることだろう。
また人間がある程度
自然を変えてゆくことも
許されていることだろう。
人にはそれができるのだ。
けれどもこれをもってして
地球を核で破壊する
ことがよいとは思えない。
人にはそれが可能だが
その必要は露もない。
核の力はゆくゆくは
発電だけに使いたい。
神の理性を有効に
使用するのが人の道、
本能だけに流されて
生きているのは人でない。
理性をもって生きてゆけ。
それこそ人にふさわしい
生き方であり在り方だ。

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